まとめてモノ申したいー2。103万円の壁、定員割れ大学。
まずは103万円の壁。今日の日経に竹中治堅という政策研究大学院大の先生がこの問題にも触れた論文を掲載しているんだが、なあるほどと納得した話。
なので、モノ申したいのは178万円に対して。その論文を読むと178万円が改めてとてもおかしなモノに思える。
現行の所得控除103万円というのは、基礎控除が48万円、給与所得控除が55万円と分解されるのだけれど、そのうち、基礎控除は最低限の生活を維持するために必要なお金には課税しないという、憲法25条の生存権の保証が租税法で形になったものなんだそうだ。そして給与所得控除がいわゆる必要経費の見合い分という性格。
そうすると、先生曰く基礎控除として適切な額は生活保護費が参考になるんじゃないか、ということ。現状でそれは68歳の単身世帯がざっくり月額6.8~7.8万円とのこと。
一方の必要経費はどうかと考えると、先生の考えはインフレ率で考えるのが適当ではとのこと。どこを起点にするかの問題はあるが、2018年の前回是正時からみれば1.1倍程度らしい。
その考えで、基礎控除を月額7.5万円として年額90万円。給与所得控除が現行の1.1倍で61万円弱。合計でざっくり150万円って数字が出て来る。
そう聞けば、性格の違うお金を一緒くたにして、最低賃金が1.73倍になったから178万円だという理屈はどんぶり勘定にしか思えない。しかも時間給じゃない人の方が大勢だし、そういう人の給料が1.73倍も上がっている訳もないのだから、ますますおかしな数字に見えて来る。
2つ目は今更ながらの定員割れの大学の話。
これも今日の日経の話で、2050年には大学の総定員の3割は埋まりませんよ、という推計が記載されている。もう待ったなしだから対策をというので、文科省が必死になっているということなんだが、対策する、それも国がする必要は本当にあるの?
大学は自治を旨として、国家権力の介入を嫌悪するのが普通のありようだろう。そんなところ?を国家が何故助けてやるんだろうか。
大学がつぶれたら誰が困るのか。潰れるような大学が潰れる限りにおいて。
まず国は何の痛痒も無いだろう。強いて言えばそんな大学を認可した文科省が後ろ指さされる可能性があるくらい。財務省なんてむしろ喜ぶんじゃないか。
学生が困るか?在学生は困る。これへの対応は必要だろう。だが新入生も含めて、そもそも大学全体の定員が余ると言っているんだから行き場がなくなる心配もない。
大学の職員、教員は困る。でも会社が潰れそうだからといって国が個々の企業に対して対策を取ってくれるだろうか。
唯一困るのが地方自治体かも知れない。大学は大体のケースで自治体の誘致が絡んでいる。企業誘致と並んで地方創生の中核、社会的インフラと思われているからだろう。補助金を突っ込んだり、土地を無償貸与したりしているケースも多い。
だから文科省も大学に対して「まず県や市とよくご相談されて、文科省がやれることがあれば言ってください」くらいの姿勢が正しいのではないか。
自治体でも東京、神奈川、大阪、京都みたいな、溢れるほど大学があるところはきっと何もしない。口にはしないだろうが、潰れるなら潰れてください、何も困りませんってところ。
そうじゃない、年々体力が削がれているような自治体は、きっと我が事として必死に知恵を出すに違いない。あんな大学でも無くなればまた人口流出だ、公立化するか、あそことここを合併させるか、学部の種類を変えるか、県外生を呼び込むには、産学連携できないか、ああできないかこうできないか、などなど、衆知を結集するに違いない。
挙句ダメなら、それはやはり潰れるしかないだろう。
とっくの昔から知れたことを今になって尚文科省が無駄な対策を施す意味が、少なくとも私には理解できない。