M1を見て納得。お笑い、坂道、ジャニーズに任せて安心TV界

年末恒例のM1を久々に見た。

 と感じたが、番組を見始めて歴代優勝者の紹介映像を見たら全部知っている。マヂラブの時「これはアリか?」と思ったし、錦鯉もウエストランドも見ているので、毎年欠かさず見ている? あれ?

 「久々」と感じたのは一体何だろうと考えてみるに、自分がボケた可能性はとりあえず置いておくとして、要は今回の出演者を誰も知らなかったのが大きいようだ。「ああ彼らは今年もまた挑戦しているんだな」と思えば久々とは思わないだろう。あるいは以前見たネタも思い出すかもしれない

 でも番組によれば連続して何度も決勝に残っているコンビもあるというし、必ず見たはずのコンビもいるはずだが、でも知らない。結局その時は全然関心を持たなかったのだろう。要は自分にとっては面白くなかった。

 それで改めてM1のHPで過去を遡って決勝の順位を見てみたら、毎回の敗者の中には今大活躍しているコンビが、まあいるわいるわ。当時の優勝者よりも今は稼いでいるだろうと思われる顔ぶれがいくつもある。

 ということは、毎回、M1に出ていたことさえ私の記憶にない程度だったコンビがいくつもいたはずで、その人たちが今や売れっ子漫才師、あるいはタレントとなっているのであって、ある意味でM1のレベルの高さを実証しているのかもしれない。

でも本当にレベルが高いのか?少なくとも当時勝てなかったのは事実。

 それとも逆に、勝った方が「タマタマはまった」だけなのか。今回ナイツの塙が言っていたように演芸場で10分、15分の尺でやるのと、コンテストで4分でやるのとでは自ずと違う、ということだから、勝った方が「はまった」可能性も十分にある。

 いずれにしろ結論の出る話ではない。どちらにしろ過去の敗者も含めてM1からは売れっ子がたくさん出ているのは事実であって、「レベルが高い」可能性は十分ある。

一方でアマノジャク的に逆の可能性も考えてみたくなるところ。

 表題の通り、今のTV界はどこの局も番組構成はニュースも含めてバラエティ全盛で、この回しにはお笑い、坂道、ジャニーズの持っている能力や人気がマッチするらしく、主力となっている感がある。ジャニーズ問題があるにしても、今のところその勢力図は大きくは変わっていない。

 そうなると、メインはもちろん、ひな壇も含めてその界隈からの人材需要がいくらでもある訳で、ちょっと気の利いた人材はどんどん登用される状況だろう。しかも上記の”軍団”はあまた大勢の中から髪の毛一本分でも人の上に出たい人たちの集団なのだから、最初は安く使い倒すことができる。

 つまるところ、昔に比べれば大いにチャンスに恵まれているから、勢いそこに集う人も多くなり、結果として「売れっ子=稼ぐ人」が多く輩出される環境が形成されているのではないか。

 彼らの当意即妙のトークや頭の回転の速さなどは、その下積み時代やオーディションでの挫折などによって鍛えられたものだろうし、またチャンスがあったとしてそれを掴みきる根性などは並大抵ではないと思うから、それを否定するつもりはさらさらない。

 今回のM1の敗者の中からもいずれTV界で大物と言われる人材が出てくるかもしれない。タレントとして有名になるのも本人にとっては成功かも知れないが、願わくば、やはりここから一流の漫才師が排出されることを一視聴者として切に願うところではある。

 今年こそ、負けた人たちのこともよく覚えておいて(ホントだな!)、将来のさらなる成長を楽しみに待ちたい。