金利金利! 大河ドラマは禁裏の話! 今年は「キンリ」の年と記憶されるだろう、なんてことはないか。

いよいよ日銀のマイナス金利政策が終了。今朝の新聞はいずこも1面トップ。日経はそのほか合計8面に渡って関連記事が踊っている。歴史の1コマって事らしい。

 かなり以前から3月か4月かと、かなりの確度で分かっていたことだから、記事の下原稿なんかも準備万端整っていたんだろうし、紙面割も相当前から予定されていたんだろうなと思うけれど、実際に紙面になって目にすれば、なんとはなしに普通の世の中に戻るんだなと感慨深く感じたりもする。

 世代的に社会人の始まりはバブルと共にあったから、当時の金利のすごさは経験しているし、年月を経て住宅ローンのお世話になる頃には、そんな低金利で借りられるなんてラッキーと思ったし、さらに年月を経て最近になって、自分の子供の住宅ローン金利を聞いたときにはそんな金利で銀行はやっていけるのかと、驚いた。

 高度成長に生まれて、長じては失われた30年の全てを社会人としてリアルに生きて来たんだと思えば、随分長く生きてしまったんだと、今更ながらびっくりしてしまう。

 これから先何年生きるか知らないが、もう一度バブルのような金利を目にする事があるのかどうか、たぶん見ることはできないだろうけど、せめて定期預金金利が3%くらいはあって、日本が輝いている時代がまた来るかもしれない、とうっすらでも思える地点にまた立てたことは喜ぶべきことなんだろう。

とは言え、いくら事が今始まったばかりにしても、普通預金金利を20倍にします!って、いくらだと思えば0.02%だと聞かされれば、それはそれでガッカリではある。

 従来の金利0.001%を20倍にして0.02%だとお?「今100万円をお預けいただければ、1年後には100万2百円にしてお返しいたします。」って言われて誰が喜ぶんだ!

 とは言いながら、銀行の言い分も分からなくもない。

 逆に借り入れの場合、これはTVで見た数字だが、住宅ローンを5000万円、35年返済で借りた場合、今回予想される利率の上昇で返済総額が100万円ほど増えるのだそうだ。

 35年で100万増えるのだから、単純に言って年間3万弱!しか増えない。5000万円借りても年にして3万弱の増、まあその程度の金利の変動だそうだ。

 であれば、預金も今までは5000万円が1年で5000万5百円でしたけど、今後は5001万円ですからね。それはそれは大盤振る舞い、盆と正月がいっぺんに来たようなお祭り騒ぎでございます!と言われれば、冷静に考えてみれば、まあそうですねと言わざるを得ない。

 金利金利金利のある世界が戻ったといっても、当面その程度の事のようだから、庶民の生活は今までと何が変わるわけでもなさそうだが、同じ1変化するにしても1が2になるより、マイナス1がマイナスでなくなって0になるのはやはり重大な変化には違いないだろう。

 ここから先が早いのか、はたまた停滞するのかそれは分からないが、経団連の十倉会長が言ってたように「ようやくぬるま湯の時代が終わった」という認識が社会に定着すれば、また日本が輝く日が来るのじゃないだろうか。

 輝ける日本などと言っても、若い方には全くピンと来ないだろうが、そんな時代が確かにあった訳で、個人的には決して夢物語とも思わないのだが、まあ、どんなことになりますやら。