派閥、派閥、派閥。浜の真砂は尽きるとも世に派閥の種は尽きまじ

総理が自らの派閥を解散して仕掛けたらあらまあ皆さん追随しちゃった。

 とは言え、解散なんかするものかと頑張っている方々もおられるようだが、まあどっちでも良いので、今回の裏金問題と派閥があることと、イコールの関係でもないと思えるし、たぶん政治と金の根本の問題は何の解決にも至らないだろう。

 そもそも派閥って、政治家さんも言ってるが、人が3人集まれば「閥」はできるもので、学閥、閨閥門閥、財閥、軍閥藩閥、言葉としては生煮えだが出身地閥、さらには党派、別派、分派なども閥の一つか、とにかく多くの言葉がある事でも分かるが、良いとか悪いとかを抜きにして、自然に、あるいは意図をもって世間にはたくさんある。

 多くの人が身近に見聞きするのが学閥だろう。伝統があって優秀と言われる学校になればなるほど「先輩!」とか言って、出身学校が同じというだけで、これまで学内はもちろん日本中どこであっても、一度たりとも会ったことの無いジジイに満面の笑顔ですり寄っていく奴のなんと多いことか。

 なぜそんなことをするかと言えば、何某かの利益を期待するからだが、学閥程度では同じ学校の卒業だからと言って思想信条が同じ訳もないし、同志として行動する積極的な動機もないのに、世代を超えた人々がが寄り集まることとなる。

 利益にはもちろん金銭が絡む場合もあろう。が、多くは直接的には人脈などという漠然とした利益に対する漠然とした期待程度だと思う。

 それでも人は集うし群れるのだから、政治家ともなれば、末は博士か大臣か、目指すところに立身出世がなければ逆に選挙民への裏切りになり兼ねないのであって、大物にすり寄ってでも政権の一翼を担って、国政を動かす立場になりたいと切望するだろう。

そんな人々が370人だか380人だかも集まって、これからどう捌くつもりだろう

 これって自分の会社とか学校とか、あるいは町内会でも良いが、それらに例をとって考えると恐ろしい事態だなと思いませんか。

 会社であれば事業部とか部とか支社とかそういった組織が一切なくて、しかも本社の権威を笠に着た人事部や経理部なんかも無い(事務処理機能はもちろんあるでしょうが)、そんな400人を社長と役員だけで御して行けるか。

 学校であれば学年もクラスも無くて、当然担任も学年主任もいないし、級長さえもいない。大学であれば学部も学科も学年も無い。当然学部長も学科長も、教授も準教授も教授会といった組織もない。ただただ全員が等しくフラットで所属する単位がない学校って考えられないだろう。

 町内会でも大きな町内は班分けにして、班長を1年ごとの持ち回りとかでやってもらわないととても運営できないと思う。

 にも拘らず事は政治家の世界の話で、集まっている人々が声はでかい、とびっきり頭の良い人もいる、野心家もいれば陰謀好きもいる、うなるほど金を持ってる人や、相当の組織の権力者だった人までいて、おまけに全員が選挙で選ばれた、一定数の国民の「代表」なのだ。

 そんなのが我こそはと意見を言い募り、てんで勝手に名乗りを上げて猟官運動を起こしたら、と考えると眩暈がする。

 のだけれど、党の総裁たる首相が解散すると言ったのだから、まあ何とかする算段はあるのだろうけれど、普通に考えると党運営なんて絶望的に思えてならないし、個人的にはその方向へ進んでいく可能性も本当にありそうに思えている。

 そうなったらそうなったで、それ自体にどうこうはないのだけれど、それで景気がおかしくなったり、国防がゆるゆるになったり、株価がダダ下がりになったり、そういうことだけは勘弁してほしいのだが、何とかうまく着地できると良いですね、と言うのが精いっぱいかな。