この歳になって(何歳だ?)自分の甘っちょろさを大谷に教えられたこと

なんと自分は甘っちょろいのか

 とため息が出たのが、今朝のテレ朝系「週刊ニュースリーダー」の一場面。

 野球解説者の里崎氏が大谷のドジャースとの契約の「オプトアウト条項(自分から契約を破棄できる条項)」についてこんなことを話した。

 大約「オーナーや編成部長が代わったら、次の人によって今の契約内容が変えられる可能性があるから、変えるなんてことをしたら出ていきますよ、ということもあるんでしょうね。」

 昨日からTVで語った大方の方は、要は「人と人との信頼関係を大切にする気持ちの表れで大谷の人柄がよく出ている」という趣旨の発言をされていて、言われたオーナーや編成部長は感激したんじゃあなかろうか、といった物が多かったし、自分も素直にそう思っていた。

ところが、

この条項は、10年間という長期に渡って契約が順守されるための「担保」である

 と里崎氏は言った訳で、そういう考え方がスッと出てくることに驚いた。本人は一流のプロ野球人として長年過ごして来て、自分自身や周辺の現実を通して球界の裏も表も知り尽くしているのだから、その条項が明らかになった時に、まず最初にそう感じたのじゃなかろうか。

 確かにそのような解釈も十分に説得力があるし、本当にその趣旨なのかもしれない。もっとひねくれて考えてみれば、契約のような具体的な内容に限らずもっと漠然とした方針のようなものや空気感、あるいは自身の感情なども含めて、オーナーか編成部長が代わったことで「何か違うんだよな」と思っただけでも、「オプトアウト条項を履行します。」と言えば辞められるわけで、結構オールマイティというかラスボス的な、ある意味恐ろしい条項ではあるなあと、改めて感じた。

 そう考えれば、ということは大谷がそう考えたのだと仮定すれば、随分シビアな世界だなと、見える風景はガラリと変わり、なんとなく感激していた自分が馬鹿に見えてくる。

 でもそんなことはないよね、大谷君の人柄だよね、だって普通にオプトアウト付けようと思えば付けられたでしょう、と思う自分もいるのだけれど、まあ見方は色々、真実はその時にならなければ分からないってことかな。